親権争い体験談

調査官調査報告書を閲覧謄写し子供が思っていることを知る事となる

2013年11月14日(木)、待ちわびていた調査官が調査・作成した「調査報告書」が出来、閲覧可能との連絡が家庭裁判所から入ったので、職場に事情を説明し時間休を取って急いで家庭裁判所へ向かいました。
そして、閲覧謄写の申請手続きをして、家庭裁判所のコピー機(コンビニと同様有料)をお借りして早く見たい気持ちを抑えながら1枚1枚コピーを取りました。
そして家庭裁判所を出てからすぐに内容を確認しました。

調査報告書の内容は抜粋しますが概ね以下の通りでした。

調查結果

第1 調査の方法

監護親・父と非監護親・母と個別に面接し,子らの監護を巡る経緯,双方の監護態勢及び子らの生活状況を聴取した。
家庭環境,監護補助者の状況を確認するために監護親・父方及び非監護親・母方の家庭訪問を行った。父方家庭訪問時には家庭における子らの様子を観察した。長男については参考までに意向を聴取した。
また長男の中学校,二男の小学校,長女の保育園を訪問し,担任教諭及び担当保育士から学校や保育園での状況等を聴取した。

 

第2 子らの監護を巡る経緯

監護者を定めた経緯

(1)父の陳述要旨

平成25年6月16日,父と母,父方祖母,母方祖父母,母の兄で話し合いをした。父が興信所に調べさせた母の不貞を報告すると,母方祖母も母の兄も母が不貞しているなら味方できないと言い,母に子をおいて出て行くよう言い,母は「わかりました」と言って特に抵抗なく出て行った。

(2)母の陳述要旨

話し合いはなかった。父や父方祖母から一方的に責められ,自分の言い分は聞いてもらえず,子供たちを置いて出た。
父が子供たちの世話をきちんとしてくれるなら我慢したが,長男とたまたま会ったとき長女がいつも泣いている,母がいないと駄目だ,と聞き子供たちを自分が監護しようと決心して調停を申し立てた。

現在の生活状況

(1)母と子らの面会状況

面会交流の持ち方について父母間で特段協議はしていない。
父としては母が面会交流を求めたら協議に応じる気はあるが,あくまでも母と子の面会で母の不貞相手と子を会わせるようなら面会は拒否する,と述べる。
母によれば,長男が内緒で母のアパートに遊びに来て長女がいつも泣いているとかお母さんがいないと駄目だとか話をする。長男が自らの意思で訪ねて来るのであって母が長男に働きかけて遊びに来させているのではない,と述べる。
長男に母との面会状況を聞いたところ「夏頃に部活の大会をお母さんが見に来て, アパートが近いから寄るように言われた。部活の練習がない月曜日の学校帰りにアパートに寄る。母は優しくて励ましてくれる。『お父さんとお母さんとどっちに付く?』と聞かれたときは,わからない,と答えた」と述べた。調査官からは,親が離婚するとき子の親権者は父か母がどちらかに決めなければならないこと,父と母が大人レベルで話し合うこと,どちらに決まっても子にとって父も母も親であることに変わりないこと,会うことを秘密にする必要はないこと,父にきちんと話しておいた方が堂々と会えるし父も安心するだろう,と伝えた。
父は,母と長男が会っていることは知っていて,子が母に会いたいのは当然と考え制限する気はない。ただし,母が子に宛てた手紙で「必ず迎えに行く」と書いてあり,子が今の家にいられなくなると不安にならないか気にしている。

第3 父の監護態勢

1 住居の状況

父提出の図面参照。
公園すぐ近くに建つ一戸建て2階家。
公園まで徒歩1分くらいで,休日には父と子らがよく遊びに行く。
平成〇〇年〇〇月新築で,外装、内装とも綺麗である。室内は整理整頓されていた。2階の子供部屋には子らの道具や本,衣類が置いてあったが整理整頓されていた。

2 子らと父及び監護補助者の関係性

家庭訪問時に観察したところ,子らは父と祖父母に親しく接しており,関係は良好と見受けられた。
長男は,もともとおばあちゃん子だということで,祖母と親しく接する姿が見られた。次男は長男と一緒に遊んだり長女と一緒に遊んだりしていた。
長女は,特に父にしきりとまとわりついて甘えていた。
長女の保育園の園長や担任によれば,父が実家に帰っていた今年2月頃は日頃元気な長女がしょんぼりしていたが,父が自宅に戻った6月半ば以降は明るくなった。母がいないことで不安定にならないか心配して見ているが,変化はない。父方祖母が保育園の迎えに来たときの様子を見る限り長女との関係で問題は見受けられない。父方祖父は迎えに来ることはない。
長男の中学校の担任や学年主任,次男の小学校の担任によれば,父は学校に協力的で,長男及び次男との関係は良好である。

3 生活状況,経済状況,健康状態(父の陳述)

父方祖父母が同居して協力してくれ,子育ては問題なくできている。父の仕事は安定している。勤務場所は現在は市外だが基本は市内。借金は住宅と車のローンで返済は順調である。
鼻炎があり半年に1回程度通院するが日常生活に支障なく,サーフィン等アウトドアスポーツを好み健康。

4 予定する監護態勢

現状どおり,父が子らを監護し,同居している父方祖父母が日常の世話について手分けして補助していくごとを予定している。

第4 子らの状況

1 学校や保育園での状況

(1)長男は中学校にさぼらず通っている。遅刻·欠席·早退はない。服装はきちんとしている。授業中の態度は良い。5月ころに忘れ物が増えて家庭学習がいいかげんになったことがあったが,6月中頃からは改善された。部活動も熱心でレギュラーとして頑張っている。テストの点数が低いことを心配した父が塾や家庭教師の対策を講じている。

(2)次男は小学校にさぼらず通っている。遅刻·欠席·早退はない。服装はきちんとしている。学習面でやや遅れがあるが,担任から父へ家庭学習を見るよう指示し徐々に改善している。身体が大きく力も強いので,悪気はないのだが回りが迷惑するような乱暴な言動があり、担任教論がその都度注意して言い聞かせたので問題視されるような言動は減ってきた。基本的にやさしい性格で友達とは仲良くしており嫌われたり浮いたりすることはない。
特に今年6月から忘れ物や提出物の遅延がなくなった。

(3)長女は保育園にさぼらず通っている。遅刻·欠席·早退はない。元気で明るく活発。喜んで通い,泣いたりぐずったりすることはない。毎朝7時5分ころに父に連れられて登園して,すぐ友人たちと仲良く遊び始める。友人たちからも人気がある。身支度はきちんとできている。特に今年6月以降,忘れ物や提出物の遅延がなくなった。

2 心身の状況

(1)長男は健康である。出生から現在まで大きな病気にかかったことはない。
中学校で〇〇部。真冬でも父と一緒にサーフィンをするくらい元気。
性格・行動傾向は父及び父方祖父母によれば,明るく,優しい。母によれば,優しく弟や妹思い。担任教論によれば優しい,思いやりがある。

(2)次男は健康である。出生から現在まで大きな病気にかかったことはない。
5歳時に弱視を指摘され眼鏡をかけ,半年に1回眼科の診察を受けている。
発育は良く身長はクラスで一番高いくらい。運動能力に優れ,クラスで1,2番を争うほど足が速い。
性格·行動傾向は父及び父方祖父母によれば元気で明るい。母によれば明るい。担任教論によれば幼くて回りを傷つける乱暴な言葉を口にすることがあるが悪気はなく,言い聞かせればわかる,基本は優しく,友人からも人気がある。

(3)長女は健康である。出生から現在まで大きな病気にかかったことはない。
身長·体重は平均的。
性格·行動傾向は父及び父方祖父母によれば明るく活発。甘えん坊でかまってもらいたがり。ご飯をよそうとか皿洗いをするとかよく手伝う。母によれば甘えん坊で母を恋しがる。

3 長男との面接結果(家庭訪問時)

調査官が自己紹介し,子が家庭裁判所での手続きについてどのように聞いているか尋ねると長男は「お父さんもお母さんも説明してくれたけど,よくわからなかった」と答えたので,家庭裁判所と調査官の役割を説明し,父母が子らの今後の生活について家庭裁判所で話し合っていること,父も母も子らを大切に思っていること,家庭裁判所は子らの気持ちや希望を聞きたいこと,同じようなことを何度も質問されているかも知れないが何度も尋ねられるのは答えが間違っているからではないこと,これまでと違うことを話しても構わないこと,今の考えや気持ちを率直に話してほしいこと,話してもらった内容は父母に伝わるが秘密にしてほしい部分があれば言ってほしいこと,などを説明した。
長男は時折領きながら黙って説明を聞き,「わかりました」と答えた。
(1)現在の生活について,長男は、考え考え丁寧に答えた。学校の友人は皆仲良しで部活で熱心に練習している,学級担任は〇〇先生,女性で落ち着いている,学年主任は〇〇先生,男性で面白い,授業では社会科はよくわからなくて面白くないが他の教科は面白い,最近は数学の比例の問題がよく理解できておもしろかったなど説明した。また,父が付けてくれた大学生の家庭教師も同じ部活をしていて話が合う,と説明した。家庭では,弟や妹が可愛い,一緒に生活できていることが楽しい,今の生活で心配なことや不安なことはない,と説明した。
(2)監護補助者について,父方祖父については「やさしい。部屋に棚を付けてくれた。器用で上手」と説明した。父方祖母については「やさしい」と説明した。
(3)父については「お父さんはいろいろなところへ連れて行ってくれるからうれしい。サーフィンにも連れて行ってもらえる」と述べた。
(4)母については「おかあさんは優しくていつも励ましてくれる。『お母さんとお父さんとどっちに付く』と聞かれたが『わからない』と答えた」と述べた。

(5)仮に裁判官が子らに母と住むように指示したらどう思うかと問うと「今のままお父さんのところでの生活でも大丈夫だしお母さんのところでも大丈夫です。どちらでも生活できます」と述べた。
(6)父へお願いしたいことはあるかと問う「たぶん無理だろうと思うけど」と前置きして「本当はお母さんと仲直りしてほしい,またお父さんとお母さんと僕たちと皆一緒に住みたい,とお願いしたい」と述べた。
(7)母にお願いしたいことはあるかと問うと「お父さんにお願いしたいことと同じです。お父さんと仲直りしてほしい,またお父さんとお母さんと僕たちと皆一緒に住みたい,とお願いしたいです」 と述べた。
(8)最後に,率直に話してくれたことをねぎらい,話した内容で父母に内緒にしておいてほしいことがあれば言ってほしいと聞いたところ「ない」と述べた。

第5 関係機関調査結果

1 長男について,〇〇中学校1年〇組学級担任〇〇教論陳述

(1)出欠状況
欠席,遅刻,早退なし。登校は早く、遅刻しそうになることはない。

(2)中学校での生活状況
授業態度は良好。明るい性格で,友人に対する思いやりがあり,皆と仲良く過ごしている。
健康状態良好。 〇〇部の練習も休まず熱心に参加している。
服装の乱れや忘れ物,提出物の遅延はない。今年5月頃に忘れ物が増えて家庭学習がいいかげんになって「あれっ,どうしたのかな」といぶかしく思ったことがあったが,6月中頃からはしっかりできるようになった。

(3)保護者の協力状況
5月の家庭訪問の際は母と話をし,10月の教育面談の際は父と話をした。
父も母も協力状況に問題はない。父は参観日や教育相談などきちんと出てくれる。調査官が学校訪問するであろうことも父から事前に手紙で連絡があった。

2 次男について,〇〇小学校2年〇組担任〇〇教論陳述

(1)出欠状況
欠席,遅刻,早退なし。

(2)小学校での生活状況
健康状態良好。体格良く,クラスで1番めか2番めに大きい。活発で運動能カも高い。
基本的に優しい性格でクラスメイトとも仲良く過ごしている。 しかし大柄で元気がありすぎて乱暴な言動で周囲を傷付けることが1年生の頃からあり当時は担任でなかったがその都度よく言い聞かせてきた。最近は落ち着いてきて周囲への気遣いができて,優しさという良い面が現れるようになった。

(3)保護者の協力状況
基本的に担任から働きかけたことには父も母もきちんと対応してくれた。
4月の家庭訪問で母へ家庭学習の目配りを頼んだ際は,仕事が忙しいのでなかなか目をかけられないという返事だった。父は参観日や教育相談にきちんと対応してくれている。

3 長女について,〇〇保育園年長〇〇組担任〇〇教諭陳述

(1)出欠状況
欠席,遅刻,早退なし。健康状態は良好。体格は普通。

(2)保育園での生活状況
毎朝元気いっぱいで登園する。朝は父親が送ってくる。親と離れがたくする様子はなく,友人達とすぐ元気よく遊ぶ。明るく活発で友人から人気がある。
今年2月に父親が別居した頃,しょんぼりして担任に「パパがいなくなった。週末はじいじのところへ行ってパパに会えるから楽しみ」などと話していた。
6月には「パパが帰ってきた。今度はママが出て行った」と話してくれた。母親がいなくなったことで不安定になるのではと心配して園長含め注意深く見守っているが,特に変わった様子はない。父方の祖父母が同居するようになってからはより落ち着いて過ごせるようになった。母親と生活していたころは持ち物や提出物の忘れ物があったが,祖母が気をつけてくれる現在は全くなくなった。

(3)保護者の協力状況
父は連絡等きちんと対応してくれる。朝7時5分か10分頃に送ってくる。
職員にも丁寧に挨拶してくれる。タ方の迎えは基本的に祖母が来てくれるがたまに父が来てくれることもある。

調査官の意見

1 本件は,離婚前提で別居している夫(父)と妻(母)の間で,現在父が監護している長男と次男と長女について、非監護親である母から、父の元での監護は好ましくないから子の監護者を母に指定して母に子を引き渡すよう申し立てている事案である。

2 子の監護状況及び双方の監護態勢について受命し調査を行った。
(1)現状では,長男,次男,長女ともに学校や保育園での状況,生活状況に問題は見られない。中学校、小学校、保育園いずれからも,父方において父方祖父母の監護補助を得られてから忘れ物がなくなり状況は安定しているとの指摘があった。
(2)父は一戸建て持ち家の父方において父方祖父母同居での監護補助を得て子ら(長男,次男,長女)を監護養育している。調査官が家庭訪問して父及び父方祖父母,長男に面接し,次男と長女の様子を観察したところ,現状で父方での監護養育に問題は見受けられなかった。
(3)母は民間賃貸アパートでー人暮らししている。アパートは父方から近くで,子らを引き取った場合に転校させなくてよい。子らの荷物を入れられるよう家財道具は最小限にとどめてある。勤務状況も安定している。監護態勢に特段の問題はないが,監護補助者·母方祖母が市外在住で緊急時対応にやや不安がある。

3 結論として,子らの父方における監護状況に特段の問題はなく,むしろ中学校,小学校,保育園から指摘されているように,父方祖父母の監護補助を得られてからの状況は安定しており,監護状況を変更しなければならない事情はうかがわれない。
子らが母を恋しがって接触や交流を求めることは別の問題で,面会交流のルール作りについて別途検討する必要がある。

以上

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調査報告書を受けて

良かったです。
先生方も事実を述べてくれて、調査官も監護状況は変更する必要はないと意見してくれたので、だいぶこちらが有利になったと思います。
この調査報告書を踏まえて11月22日(金)に次回の調停が行われることになっています。

 

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